ネバー・サマー・ホリデー(1)●
ママがお花に水をやってる日曜日。寝ているパパをしりめに僕は向日葵畑を横切って今日も遊びたくって夏休みだもん。原川で一条のおじさんがいた。こっちに気付きやって来る。「天宮君、ボールいらんかね?」
黒アゲハがひらひらとおじさんと僕の間を飛んだ。見とれた後僕は言った。「そんな汚ねーボールいらないよ!」
「何だ!おじさんが親切にあげようと思ってるのに、おじさんが天宮君の頃はこんな大きなボール手に入れるのにどれだけ苦労したことか!今頃の子どもは新しい柄のサッカーボールが出るとすぐ買え換える。」
「僕じゃないよ!」
「あんた!やめて!!」一条のおばさんが川の上の道から叫んだ。
「そんな事言ったってタカがかえってくる訳じゃないんだよ」
「・・・そうか悪かった。天宮君ごめんね。おじさんが悪かった。そうだね。これでアイスでも買ったらいいよ。なあかあちゃん。パパとママには内緒だよ」
ヤマトは200ゴールド手に入れた。でも汚いボールもいっしょだ。しょうがないから隣町の公園のごみ箱に捨てようかな。その前にミユに会いたいな、・・・そうだこのボールで。
「ミユちゃ〜ん、あーそーぼー!」