しかしそこに居たのはあき竹城だった。逃げようにも水田の上では思うように歩けずぬかるみは深い。あき竹城はそのるかるみをひょいひょいと走るように僕に近付く。(駄目だ!捕まる!)彼女との距離が縮まる一方、僕は焦って身体ごと水田に転んでしまう瞬間ふあーと空に身体が静止した。あき竹城が僕をお姫様だっこしたのだった。